月日が経つのは早いもので、チャキ家の一人息子は今月24歳になりました。名古屋市の中心部に住んでいるので先日、彼の近所で誕生祝いディナーしてきました。
息子は中学生から始めた陸上で良い指導者に出会い、高校進学の際、いくつかの学校からお誘いのお話をいただき、有名高の『スポーツクラス』に進学。
ディナーの最中に『そういえば高校でさ、4月~6月生まれがクラスの半分以上いてさ~、驚いたんだよね!小・中ではそんな事なかったから…』という話に。東大生の合格者も4~6月生まれが多い…という話は有名なので、『へ~、勉強もスポーツも4月~6月生まれが有利ってこと?』と気になりまして、いろいろ調べてみました。
今回のテーマは『生まれ月と能力』です。
今回のもくじ…
私の意見
幼児期の成功体験
逆転現象
スパイラル方式
むかし話
新しい仲間
私の意見
当然の事ですが、 生まれ月によって子どもの持つ能力が『変わる』事は全くありません。ECCで生徒を教えてきた経験からお話すると『生まれ月』は学習やスポーツに『多少の影響』を及ぼす一つの要因でしかない…と感じています。
生まれ月に関係なく、勉強であれば『物覚えが良い子』や『集中力があり日々コツコツ努力できるタイプ』が、最終的に結果を出す事ができます。スポーツであれば、それに加え『恵まれた体質』や『持って生まれた才能・環境』も大きな要因になるかと思います。実際、生徒の中には早生まれで優秀な子もたくさんいます。
先に紹介した息子のスポーツクラスの同級生たちも、確かに半数は4~6月生まれで驚いた~そうですが、同クラスには全国中学体育大会で、1位だった有名な選手が2名いました。水泳と陸上の選手でしたが『あのふたりは11月と12月だったけどね!』と笑っていました。
幼児期の成功体験
ではなぜ東大卒は 4月生まれ 5月生まれが多いのでしょうか?
『4月生まれ 有利』や『4月生まれ 能力』など、ネット検索すると色んな記事がヒットしますし書籍もいくつかあり、根拠のあるデータもあるようですが、大きな要因の一つは『学校教育』が4月スタートである事。
幼児期や入学時に、回りと比較して体格がよかったり、人より上手にできて褒められた経験で『自信』をもった子は、『自分はできる!という成功体験』から前向きに充実した学校生活をスタートする事ができます。ある意味『前向きな思い込み』が勉強でもスポーツでも積極的に楽しく取り組めるきっかけになっているように思います。
学校での学習や生活の中で、自分だけでなく親や教師も『この子はこんな感じ』という固定概念が自然と生まれます。幼い頃に抱いた『自信』が結果的に大学入試までいい影響を与え東大生は4~6月生まれが多い~という結果になっていると考えられます。
スポーツにおいても、プロ野球・Jリーグ・バスケは、4月~6月生まれが圧倒的に多く(31%)、1〜3月生まれの選手が最も少ない(18%)。理由として、この3つのスポーツは学年別でくくられやすい団体スポーツである事。『学校教育』と同じ結果がここでも見られます。
ところが五輪になると、意外なデータを見ることができます。
逆転現象
五輪に関しては「早生まれが有利」という逆転現象がおこります。
日本の金メダリスト195人の内、1~3月生まれ(61人)が全体の31%。もっとも少ないのは4~6月生まれ17%(33人)というのです。
これは水泳や体操は、学校や学年と関係ない『習い事』としてスタートし、能力別で才能を伸ばしている事が背景にあるようです。特に一流のスポーツ選手になるためには、本人の努力以上に、保護者の決断や采配、継続そして努力が、選手の人生に大きな影響を与えている事がうかがえます。
また『幼児期の心のサポート』が重要である事も多くの記事で書かれています。まずは子どものキモチをポジティブにしてあげる事が『得意』や『好き』を作る『大切な要因』と思います。
今回の参考文献の1つは〈Sportsnavi2020年〉です。鈴木大地スポーツ庁長官のコメントは、すごく胸を打つものがあります。短い記事ですので、ぜひ読んでみて下さい↓
スポーツ選手の「早生まれは不利」?!過去の五輪メダリスト、トップアスリートのデータから見る大事なこととは - スポーツナビ (yahoo.co.jp)
スパイラル方式
ECCの講師の立場からみて『生まれ月は語学の能力と関係ない』と感じるのはやはり、ECCが『習い事』の1つである事が大きいのかもしれません。あと『ECCに通わせている保護者』の多くは、ご自身が英語で苦労した過去、また現在仕事で英語を必要とされているので『英語は大切』という意識を持っている方がほとんどで、ご家庭でのフォローがしっかりしているからです。
ちなみにECCでは『スパイラル方式』を導入しています。小学校のように毎年1学年上がるのではなく2年に1回クラスが上がります。1・2年生、3・4年生、5・6年生が同レベルで一緒に学び、1年目は自分より1学年上の生徒と、2年目は逆に1つ下の子どもたちと同じクラスで学びます。学習面で早生まれの様な経験と、遅生まれのような経験を交互にできる感じです。
1年目は先輩がクラスを引っ張ってくれるので、下の子たちはメチャ伸びます。負けず嫌いな子は上の子に負けたくなくて、半年くらいで追いついたり中には上の子を負かす勢いのある子も出てきて、上の子たちが焦っている光景もよく見ます。
2年目は前の年の復習になります。2年目に頑張りだすのは『マイペースな子』。ビリやドベでも気にしない、ある意味メンタルの強い子でも、下の子には負けたくないので必死でがんばり出します。
PFクラスで例えれば、小2の子はもうalphabetの大文字・小文字そしてフォニックスもできるし、英単語スラスラ読める子もいますが、新1年生ともう一年同じレベルの学習をして、基礎をしっかり固めていく『仕上げ』の年。常に新しい内容の学習を積み重ねていく学校のような階段式よりも、万人にとって着実に力をつけていく事ができるのが『スパイラル方式』のすばらしい所です。
むかし話
むかしむかし、ある所にとても優秀な女の子がいました。クラスの誰よりも優秀だったのに1年後、1つ上のお姉ちゃんたちはPIクラスに進級し、まだ1年生だったその女の子はもう1年PFクラスで勉強する事になりましたとさ、
5月のある晴れた日、ちょっとした事件がおこりました。その事件の日、その女の子は『もうECCを辞めようか…』と落ち込んでしまいました。そこで先生は手紙を贈ることにしました、
たしかに昔の話ですが、これは実話です。パソコンの書類を整理していたら 彼女に送った手紙の下書きが出てきました。ママから許可もいただきましたので、シェアさせて下さい。名前は仮名です。
ユイちゃんへのお手紙*********
ユイちゃんへ
今日、ユイちゃんがレッスン中に『なんで、こんな面白くない事ばかりするの?』と発言したので『どうして、そんなひどい事を言うの?』と先生は、逆にたずねました。ユイちゃんは黙っていましたが、先生はなぜユイちゃんが、そんな事を言ったのが知っているので、手紙を書く事にしました。
ユイちゃんは、少し言い方をまちがえたのだと思います。ユイちゃんは4月からレッスンの内容がまた振り出しにもどり、もう覚えたはずのアルファベットの大文字を練習したり、an apple やapplesの違いを勉強するのではなく『もっと難しい事にチャレンジしたい!』と言いたかったのだと思います。
ユイちゃんはいつも宿題にしっかり取り組み、レッスンでは集中して前をみて、先生の話を聞いてくれます。勉強もとてもよくできます。でも、せっかくなのでもっと大切な事もECCで学んで欲しいと先生は思っています。
今年PFクラスには、1年生が2名、新しい2年生が2名仲間にはいりました。とくに1年生は、アルファベットの書き方も読み方も全く知りません。でも1年前にECCに来た時、ユイちゃんも同じように英語が全くわからなかったはずです。
すぐ隣で英語がわからないで困っている1年生がいます。ユイちゃんは、それを見てどう感じますか?クラスの中で自分は何をすべきだと思いますか?
仲間や年下のお友だちを『思いやる心を育てる』のは、勉強する事よりもさらに難しい事です。でも、それは勉強よりも大切な事です。ユイちゃんが忙しいママをいつも心配したり思いやっているように、年下のお友だちも思いやる気持ちをもってください。
去年、アリサちゃんがユイちゃんたちにしてくれたように。アリサちゃんはいつもニコニコして1年生がヤンチャしていても見守ってくれましたよね?ユイちゃんなら、きっと優しいお姉さんになれます。来週からは『良いお姉さんになる!』そんな気持ちをもって、教室にいらして下さい。
新しい仲間
今年の 2年目になる小2の子たちは、少なからず彼女と同じような気持ちや経験があるかもしれません。昨年の繰り返しに感じるこの1年は『ECCジュニアの学習の要』です。『PFクラスは一番大切な学習カリキュラムだという事』を、多くの先生がお話されています。スポーツも語学も基礎が一番大切だからです。
2024年度は、PFクラスに12人の新しい仲間が入会してくれました。3年生で新規入会した場合、初年度はPFクラスで1~2年生と一緒に基礎を学びます。PFSaturdayとPFMondayは、無邪気で良く笑う1年生とベテラン2年生そして、勉強がよくできる3年生のMix。小学校とはちがう『学びの形』ですし初年度ということもあり、子どもたちの心に残る1年となるでしょう。
あれから~ユイちゃんは、とても優しいお姉さんになりました。英語もがんばっています。小3で英検5級合格したのは、入会してからわずか2年6か月でした。
なんとなく気になって彼女の生年月日調べてみたら…
3月20日生まれでした